ここ何年かでなんとなくですが、「水虫=男性がなる病気」のイメージが和らいできたと感じませんか?
メディアなどで近年多く取り上げられ、世の女性達が自分達にも関係のある病気だという認識が浸透しつつあるのかもしれません。
ただ一方で、水虫=不潔というネガティヴなイメージはなかなか取り払うこともできず、病院で受診するのが恥ずかしいと思う女性がまだまだ多いのも事実です。
本記事では「女性だって水虫になる」をテーマに女性の水虫が重症化し易いといわれる理由まで検証していこうと思います。
スポンサーリンク水虫患者の男女比は?
男性に多いイメージの水虫ですが、その男女比は男性が3分の2、女性が3分の1と、実は水虫の罹患率にはそれほど顕著な差はありません
また、20〜30代の働く女性の3分の1が水虫罹患歴があるというデータもあります。
更に注目すべきは、「女性の方が爪水虫を併発し易い」傾向にあるという点です。
爪水虫はなぜ女性に多いのか
水虫とは一般的には「足の皮膚にできる水虫」つまり「足水虫」が実際の患者数からいっても最も多いです。
ところがこの足水虫を適切に治療しないと、いずれは爪の内部(爪甲下:そうこうか)まで白癬菌に感染してしまい爪水虫(爪白癬)になってしまいます。
爪水虫は重症化し易く、治りにくいという、水虫の中でも厄介な病気です。
そんな爪水虫ですが、どうして女性の方が足水虫と併発し易いのでしょうか。
それには以下の3つが関係していると私は考えています。
1.ハイヒール
2.ペディキュア、ネイルアート
3.ストッキング
順に説明していきましょう
ハイヒール
かかとが高く、重心が前傾し易いハイヒールでは、どうしてもつま先への負担が大きくなりがちです。
つま先に負担がかかるということは足の爪にも同様にダメージをうけることとなるため、知らず知らずのうちに目に見えないような小さなキズが入っていることも少なくありません。
この目に見えない小さなキズというのが厄介で、本人の預かり知らぬところで白癬菌への感染ルートを提供してしまっている可能性があるのです。
そうして侵入に成功した白癬菌はここぞとばかりに増殖し、じきに爪の形を変形・変色させ、厚みを帯び、ボロボロになっていきます。
厄介なことに爪水虫には足水虫特有のかゆみがありません。
そのため初めて爪水虫を患った女性はそれが爪水虫であるとは気付かず、
「あらやだわ。爪が変な形ねぇ、恥ずかしい」
といったわけでヤスリなどで削り込む女性が多いようですが、この行為がますます爪の形を変形させます。
場合によっては爪の角が皮膚にのみりこみ、程度が悪化すると歩くこともできない程の激痛を引き起こします。
いわゆる、巻き爪ですね。専門的には「陥入爪:かんにゅうそう」とも言います。
巻き爪の治療に病院にやってきて診察すると爪水虫が原因だった、なんてことも珍しくないようです。
ペディキュア、ネイルアート
爪水虫に感染すると、爪の外観が悪くなり、それが嫌でペディキュアを塗って誤魔化す女性も多いようです。
ただでさえ爪を痛めやすいペディキュアを、爪水虫に感染した爪に塗ることによって更に症状を悪化させることも十分に考えられます。
ネイルアートも同様に爪を傷付ける可能性が非常に高いです。
爪にキズが入る⇒爪水虫に感染する⇒爪の外観が悪化⇒隠すために爪をいじくる⇒爪にキズが入る・・・
絵に描いたような負のループがそこに待っていると考えたほうが良いでしょう。
ストッキング
白癬菌の好みが、ジメジメとした環境であることは以前にも説明した通りです。
⇒爪水虫の正体はカビ!白癬菌が好む環境と増殖しやすい季節とは?
水虫に格好のエサ場を与えるという意味においては、ナイロン製のストッキングも悪い環境を作り出す非常に大きな原因となります。
通気性の高いストッキングというものも最近ではよく見られますが、それでも水虫の繁殖にとっては十分な環境であると言わざるをえません。
また、ハイヒールとストッキングという組み合わせも非常にまずいです。
加えて夏場、外回り、ということにでもなれば足の蒸れ具合は最高潮、水虫菌にとっては絶好調の環境を準備することになります。
女性が爪水虫にならないためには
まずは白癬菌の感染ルートを断つ、そのためには足の爪ににキズが入らないように、つま先への負担が大きいような靴を履かないことを意識することです。
それでも仕事上、どうしてもハイヒールやストッキングを欠かせないということであれば、とにかく家に帰ってからすぐに足を洗うこと。特に爪周りを重点的に洗うことで白癬菌の増殖を最大限遅くしましょう。
せめて足水虫にかかっている間は、白癬菌が爪にまで浸食してくるのを極力避けた方が無難です。
通勤はハイヒール&ストッキングだとしても、会社に着いてからは素足&スリッパにするなど、可能な限りできる予防方法を実践してください。
それでも爪水虫らしき症状が出てきた場合は、ペディキュアをなどを使って無理に隠そうとせず、ただちに正しい治療を開始すべきです。
ここまで言っても女性の中にはやはり「恥ずかしい」といって水虫であることを隠したがる女性もいることでしょう。
しかしそれではいつまで経っても治らないどころか症状が悪化してしまうことも起こり得ます。
それどころか他人に移してしまう危険性も高まります。
現代社会で生きる私たちにとって、水虫は決して「不潔だからなる」、「男性だからなる」、わけではありません。
男性も女性も関係なく誰もがかかる病気であるという事実をしっかりと理解しておく必要があります。