「爪水虫?しょせん水虫の一種でしょ?」
「たかが水虫なんだからそんな焦って治療することもないよね?」
「え?しかも痛みとかかゆみもないの?放っとけばいいのに」
爪水虫という病気に対してこんなイメージを持っている方は多く、治療をせずに放置する方も多いようです。
しかし、これは大きな間違い。
まず、爪水虫は自然治癒しません。
人間の免疫力だけで回復できるほど単純な病気ではないのです。
さらに、自然治癒しないだけではなく、放置してしまうとより危険性の高い重い病気にもなりえる厄介な病気なのです。
どんな病気でも例外はありますので100%自然治癒しないとはいいきれません。ですが爪水虫に関しては「有りえないレベル」と考えていいでしょう。
それでは、爪水虫を放置すると爪、体は、どのような状態になってしまうのでしょうか。
さらにはどのような危険が待ち受けているのか、本記事で解説していこうと思います。
スポンサーリンク感染拡大の危険
爪水虫は白癬菌という細菌による感染症です。
それゆえに、病気を放置することはすなわち生きた白癬菌をばらまき続けることになり、患部以外の別の場所にも感染するリスクを高めることとなります。
自身の体の別の場所に感染するだけではなく、他人にまで感染拡大のリスクがあるのです。
特に、一緒に過ごす家族は感染の危険が非常に高く、小さな子供にまで移ってしまう可能性もあります。
二次感染症の危険
一般に、白癬菌に感染した皮膚は非常に繊細な状態であり、本来皮膚が持っている細菌からの防御機能が著しく弱まっています。
白癬菌は角質を好む菌なのですが、荒れた皮膚から別の菌が侵入して二次的な細菌感染による疾患を引き起こすことがあるのです。
さらに、元々の抵抗力が弱い人の場合、体の内側への感染がないともいえません。
こうなると患部に対する外用薬による治療だけではどうにもならず、飲み薬による治療が必要となってしまいます。
しかし水虫・爪水虫の治療に用いる飲み薬は副作用のリスクも大きく、人によっては使用することができません。
特に小さな子供や妊婦などは飲み薬を服用することができないため、治療の選択肢が限られてしまいます。
さらに、爪水虫を放置した結果、二次感染によって化膿して足が腫れたり、足の指が壊死してしまうことがあります。
壊死してしまえば、最悪の場合、足の指、下肢を切断するということにもなりかねません。
合併症の危険
▽糖尿病患者は特に危険
下肢の切断というと「そんな、おおげさでしょ~」と思われるかもしれませんが、これが糖尿病との合併症となると稀なケースとは言い切れません。
糖尿病の患者は血液の循環が悪く、動脈硬化などを引き起こすこともあります。
こうして血管が柔軟性を失い、血の流れが滞りやすくなった状態で水虫になるとどうなるか。
水虫に感染した皮膚がきっかけとなって、患部に他の細菌が侵入し化膿してしまうと、やがて患部が腐ってくるのです。
症状が悪化すると患部が壊死して、場合によっては切断を余儀なくされるわけです。
このように足の壊疽から下肢切断へと至るリスクが高い糖尿病患者の爪水虫は、健常者の場合以上に特に注意が必要であるといえます。
▽治療が困難になることも
爪水虫の治療では、一般的に内服薬治療が検討されるわけですが、ここでも合併症ならではの危険が存在します。
既に他の病気(糖尿病に限らず)によって日常的に複数の治療薬を内服している場合、薬の飲み合わせが問題として浮上してくるのです。
爪水虫治療に用いられる飲み薬には併用禁忌が多いものがあり、場合によっては飲み薬の治療を断念せざるを得ないケースも出てきます。
今では市販の外用薬で爪水虫を治療することも可能となりましたが、かつては効かない塗り薬を爪に塗り続けるしかない場合もあったのです。
まとめ
ここまで紹介した通り、爪水虫を放置すると様々なリスクが高まります。
□全身に白癬菌感染が拡大した
□家族内で感染が拡大し、小さな子供にまで移してしまった
□爪が変形し皮膚に刺さり激痛で歩けなくなった
□足が壊死して切断を余儀なくされた
爪水虫はこういったことが起こり得る恐ろしい病気であることを正しく知っておく必要があります。
自然治癒することもなく、放置すればこれだけ恐ろしい事態に陥る可能性を秘めた爪水虫。
ぜひとも、早め早めの行動が望まれます。