水虫の原因菌である白癬菌が爪の中にまで感染することによって起こる「爪水虫」。
この状態になると、爪の中で白癬菌が増殖、爪の色は白や褐色に濁り、分厚くなっていきます。
そして、次第に爪の組織が破壊され、爪がボロボロになっていってしまいます。
かつてはその治療難度、再発率の高さから難病とも言われた爪水虫ですが、現在では正しい治療法を継続すれば完治させることが可能な病気です。
ただし気を付けたいのが完治後の「跡」。
爪は一度ボロボロになってしまうとなかなか元に戻りづらく、白癬菌を完全に除去できたとしても一度傷つけられた爪の中の皮膚はなかなか回復せず、跡も残ってしまうのです。
「せっかく爪水虫が治ったのに、跡が気になって素足で外に出るのも恥ずかしい・・・」
こんなことになっては例え病気が完治していても後悔ばかりが残ってしまいますよね。
そこで本記事では、爪水虫の跡を残さないように完治するための、適切な治療法に関して説明していきます。
スポンサーリンクまずは病院、正しい診断を
まず違和感を感じたら、必ず病院(皮膚科)を受診するようにします。
これは、その違和感の正体が本当に爪水虫であるか否か、確定診断を受けるためです。
この時必ず「顕微鏡で真菌検査をして下さい」と伝えるようにしましょう。
爪水虫や水虫の症状を訴えて病院に来る患者の実に50%が、実は水虫によく似た違う病気に感染していたという報告があります。
爪水虫を外観だけで診断するのはそれだけ難しく、専門の医師であっても見間違えることもあるのです。
このような事実から、経験の深い医者であれば、まずは真菌検査で白癬菌の有無を確認するのですが、なかには見た目だけで診断を下す医者もいるでしょう。
もう一度言いますが、爪水虫を疑って皮膚科を受診の際は必ず「顕微鏡で真菌検査をして下さい」と医師に伝えるようにして下さい。
爪水虫の正しい治療法
現在市販でも水虫用の薬は販売されていますが、その多くは塗り薬であり、爪水虫をターゲットにした商品というのは少ないのです。
確かに、皮膚の表面に水虫ができている場合は塗り薬の方が効果的です。
しかし一般的な塗り薬の場合、爪の中、その奥深くまで薬を浸透させることは難しいとされています。
そのため、適当に選んだ塗り薬だけでは治療効果がなく、症状はますます悪化してしまうのです。
その結果、完治後まで跡が残ってしまうような状態にまで爪がボロボロになってしまうわけです。
爪水虫の正しい治療方法は下記の2つ。
①浸透力に特化した適切な外用薬を用いること
②内服薬による治療を行うこと
これらのいずれかを選択することが完治させるために重要なポイントになります。
▽浸透力特化型の外用薬治療
爪は硬いタンパク質からできているために、通常、塗り薬の成分が入り込むのは難しいとされてきました。
そのため、「爪への浸透」を考慮していない一般的な塗り薬だけでは爪水虫の治療には十分な効果を発揮できなかったのです。
ですが、現在ではこの点をクリアにした、浸透力特化型の爪水虫専用薬が開発されています。
⇒爪水虫に効く市販の外用薬がある!そのメリットデメリットは?
以下で説明する内服薬治療と比べると、副作用のリスクが圧倒的に少ない、というのが大きなメリットとなります。
▽内服薬治療
内服薬による爪水虫治療の場合、体の中から白癬菌の除去を行うための飲み薬が処方されます。
医師の指示に従って、決められた期間、薬を飲み続けるようにしましょう。
この時、爪にもう違和感が見られなくなったからといって、途中で薬を飲むことを止めてはいけません。
人の爪が完全に生え変わるまで、足の親指は約半年、足の小指は約1年かかるといわれています。
水虫に感染していないきれいな爪へと完全に生え変わり、顕微鏡検査等で白癬菌が完全にいなくなったことを確認できて、初めて完治したといえます。
そのため、しっかりと完治が確認できるまでは薬を飲み続けるようにしましょう。
ただし、爪水虫の治療に使われる内服薬には肝機能を中心に副作用が出ることがあります。
飲み薬で治療する場合は定期的に血液検査を行い、肝臓に異常がないか確認しながら行うことになります。
また、このような副作用の観点から妊婦や小さな子供が爪水虫に感染した場合は内服薬治療はできません。
まとめ
爪水虫の場合、放置すると他の爪へ感染する恐れもあり、治療が遅れると跡も残りやすくなってしまいます。
もし少しでも違和感を感じたらまずは医師に相談し、爪水虫か否か、確定診断を受けるようにして下さい。
爪水虫であることがわかったら、治療方法には「外用薬治療」「内服薬治療」があります。
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自分にとって適当な治療方法を選択するようにしましょう。