水虫に感染したことがある方ならば、患部を温めて水虫を治すという話を聞いたことがありませんか?
水虫菌が熱に弱いという性質を利用した治療法ですね。
爪水虫の民間療法のひとつに、ドライヤーを使って患部を乾燥させるという方法があります。
湿気を好む水虫が相手ですから、確かに「乾燥&温める」の両方に貢献してくれそうなドライヤーには期待してしまうのでしょう。
しかもドライヤーであればどこの家庭にもあるので手軽に治療に取り組めそうです。
ただし、本当に効果があれば。ですが。
今回は爪水虫が本当にドライヤーで治せるのか?について検証してみました。
スポンサーリンクズバリ、ドライヤーに爪水虫治療効果は?
結論を先に言います。
ドライヤーでは爪水虫は治せません。
ヤケドの危険も高く、刺激が強すぎて患部をますます炎症させてしまう可能性が高いのです。
ですが、治療効果が全くゼロというわけでもありません。
水虫菌が増殖してしまう条件のひとつに「湿気」がありますが、患部を乾燥させるという点ではドライヤーは最適でしょう。
このとき気を付けたいのが熱風ではなく冷風を用いることです。
例えばお風呂上りに爪水虫の患部をドライヤーの冷風で乾燥させるということであれば、白癬菌を増殖させる危険は幾分か減ることでしょう。
もちろん、ヤケドの心配もありません。
白癬菌の活性化温度とは?
水虫の原因菌は白癬菌という真菌ですが、真菌類は一般的にどれも活動が盛んになる温度帯、というのが存在します。
白癬菌はおよそ15度~20度で最も活性化すると言われています。
また、それ以下の温度になると活動が弱まり、極端な低温下では活動を休止します。
水虫の症状が冬になると軽減するのはこのためですね。
今度は逆に、15~20度以上の温度帯にさらされると白癬菌はやはり活動が鈍り、極端な高温になると死滅します。
この極端な高温というのがポイントで、60度以上であれば1秒でもさらされると白癬菌は死滅します。全滅です。
また、40~50度程度であっても数分間さらされれば部分的には死滅させることも可能です。
40~50度で数分…ここが実に微妙!!
人の皮膚が低温ヤケドしてしまうギリギリの温度帯なのです。
しかも爪水虫に関しては患部は爪の下の皮膚になります。
この部分に潜む白癬菌に十分な熱を加えようとした場合、指の表面の皮膚は更に高温にさらされることでしょう。
これではやけどを避けられようもありません。
残念ながら、「ドライヤーで患部を温める」それだけで爪水虫が治せるかというと、現実的には不可能と言わざるを得ません。
白癬菌が熱に弱いなら、足湯は効果的?
他にも民間療法のひとつとして、「熱湯に浸す・足湯をする」という治療法もよく耳にします。
足湯で爪水虫が治るのか?に関しては下記の記事でも詳しく説明しています。
⇒爪水虫はお湯・熱湯で治せる?爪水虫の弱点から足湯の効果を検証
ですが、これもやはり治療効果は期待できません。
民間療法というのはいずれもその効果が科学的に証明されているものではありません。
効果がないだけならまだしも、かえって症状を悪化させてしまう場合もあるのです。
正しい治療方法は?
本気で爪水虫を治療しようと思ったら、やはり民間療法は避けるべきです。
ドライヤーを使うこと自体は悪いことではありませんが、殺菌を目的として患部を極端な高温にするのはかえって危険です。
あくまで治療の補助として、患部を乾燥させる目的で使用するまでにとどめておきましょう。
正しい治療方法としては大きく分けて以下の2つの方法があります。
・病院に行って内服薬を処方してもらう
・爪水虫専用の塗り薬を購入する
内服薬を用いた治療では、患部に直接触れる必要がない上に治療効果もそれなりに期待できます。
ですが、誰でも使えるわけではない上に、デメリットとして副作用の心配も考えなくてはなりません。
爪水虫専用の塗り薬を用いる場合は、内服薬のような副作用の心配は少ない上に、病院に行かずに治療できるのも魅力的です。
いずれの治療方法においても、デメリットは少なからず存在します。
⇒⇒爪水虫に効く市販の外用薬がある!そのメリットデメリットは?
爪水虫の治療を開始する上で重要なことは「自身にとって何が重要で、どんな治療方法が向いているか」をまず理解することです。
せっかく開始した治療も、続けなければ完治することはありません。
正しい治療方法で諦めずにケアに取り組んでいきましょう!