爪水虫にはさまざまな民間療法がありますが、その中にマウスウォッシュやリステリンを使うという方法があります。
マウスウォッシュやリステリンの本来の目的は、歯石の予防や歯肉炎や口臭の予防のために使われる、口の中の健康を保つための物です。
果たして、本当にマウスウォッシュやリステリンに爪水虫の治療効果が期待できるのか?
さっそく検証していきます。
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爪水虫に効くメカニズムはあるのか?
マウスウォッシュを代表して今回はリステリンに的を絞って考察してみました。
どうして「爪水虫に効果がある」とされているのか?
これは、配合されている成分の複合的な効果だと考えられます。
リステリンに含まれている成分に皮膚を柔らかくする成分や、チモールやシネオール精油といった殺菌作用のあるものが配合されています。
この効果によって爪水虫の原因となる白癬菌を殺菌する(可能性がある)と言われるわけですね。
特にリステリンは他のマウスウォッシュに比べて刺激が強いので、殺菌効果も高いのでは?という説もあります。
しかし、ここで大きな疑問が。
相手は爪の中に潜む菌、、
本当に患部までリステリンの殺菌成分が届くのでしょうか?
仮に、殺菌成分が患部に届いたとして、白癬菌を殺菌する能力は本当にあるのでしょうか?
やってみた
ということで、実際にリステリン治療法を1ヶ月試してみました。
▽検証方法
リステリンを使った治療方法はネットに落ちてる情報を再現してみました。
準備は簡単。
両足が入る洗面器やバケツに足の指が全て浸かる程度のリステリンを入れ、そのまま20~30分ほど待つだけです。
爪だけではなく角質に住み着いている水虫の撃退にも効果があるといわれています。
また、この後に外用薬を使用すると、薬の浸透性が上がっているので高い効果を実感することができるとも言われています。
▽結果はどうなったか…!?
まずは結論から。
全く効果なし。
………まぁ、そうですよね。
なんとなくわかってはいましたが。
私の場合は、特に目立った肌トラブルなんかはありませんでしたが、毎回少々ヒリヒリするような感覚を覚えたために1ヶ月を目途にリステリン検証は中止しました。
それよりもなによりも、めんどくさいというのが検証を中止した一番の理由です。
治療効果がない上に、毎日30分近くも足の自由を奪われ、挙句ヒリヒリした嫌な後味に包まれる…
とても継続する気にはなれませんでした。
弊害はないの?
私は残念ながらリステリンによる爪水虫の治療効果を確認できませんでしたが、ネット上では「効果あり!!」というような声も聞こえてはきます。
確かに自宅で手軽に(?)頑固な白癬菌の撃退ができるのならば嬉しい治療法ですが、この方法には弊害もあることを知っておく必要があります。
弊害その1)刺激が強すぎる
使ったことがある人ならばわかるかもしれませんが、リステリンには口の中をすっきりとさせるためにミントなどが配合されています。
そのため、今回のように長時間皮膚を浸すような場合、刺激が強すぎるのです。
爪だけではなく角質にも水虫が出来ている場合には痛みを感じてしまう可能性がありますし、健康な皮膚に対しても刺激が強い可能性があります。
また、リステリンには皮膚を柔らかくする成分であるシネチオール精油が含まれていますので、皮膚の最表面のみならず、角質の内部にまで成分が浸透していく可能性があります。
肌が弱い人は特に注意が必要ですが、長時間足をつけておくことで皮膚に何らかの悪影響が出てしまうことも考えられます。
弊害その2)常在菌まで殺菌してしまう
人の皮膚には常在菌という細菌が住み着いていることはご存知でしょうか?
常在菌は人間の身体に必要な細菌で、感染症を引き起こしたり体臭を悪化させるなど、人間に悪影響をおよぼす菌が繁殖してしまうのを防ぐ効果があります。
しかしリステリンに皮膚を長時間浸すことによって、リステリンに含まれるチモールという殺菌成分が、常在菌を殺菌してしまう可能性があるのです。
常在菌がいなくなってしまうと皮膚のバランスは崩れ、悪影響をおよぼす菌が繁殖しやすくなる可能性があります。
さらに、一度失った常在菌はすぐには回復しませんので、せっかく治療を行ったというのに角質や爪水虫の症状が悪化してしまう可能性も出てきます。
まとめ
リステリンに爪水虫の治療効果があるのか、ないのか、ですが個人的には検証結果とあわせて考えてみても、
「効果は期待できない」
というのが答えになります。
効果があったという声は確かにありますが、少なくとも全ての人にあう方法だとは言えないという点は理解しておきましょう。
なによりも、毎日数十分も治療に時間をかけなければならないこと考えると、あまりにも面倒です。
時間効率的に考えても得策とは言いがたいのが正直なところです。
それに加えて肌トラブルなどの弊害もあるとなると、とてもじゃないですがおススメできる治療法ではありませんね。
医学的な裏付けのない、あくまで民間療法ということです。
やはり、爪水虫を確実に治したいということであれば、爪水虫専用の治療薬を用いるのが最善といえるでしょう。
リステリンと同じく、自宅で治療を進めたいということであれば、外用薬による治療も可能です。
⇒爪水虫を自力で治すことは可能?自宅治療の注意点と正しい治し方の手順
爪水虫は、自分に合った治療方法を見つけて、継続しさえすれば完治させることは十分に可能な病気です。
諦めずに治療に取り組んでいきましょう。