初期のうちはその症状に気が付きにくいのが特徴である、爪水虫という病気。
特別な痛みもなく、爪の見た目に多少の違和感を覚えるものの、日常生活には差し支えるようなこともないため放っておかれがちなのがこの病気の怖いところでもあります。
気が付いたときには既に重症化してしまっていた、なんて話も。
では、爪水虫が重症化するとどのような症状が現れるのか?
段階別に画像を交えて解説していきます。
スポンサーリンク初期段階
まずは爪水虫の初期の段階です。
この段階では爪の外観の変化に気付かないこともあるかもしれません。
爪水虫初期での外観の特徴
・うっすらと白い筋が入る
・爪の表面がでこぼこしてくる
・やや厚みが増すこともある
この段階であれば、まず日常生活で不便を感じることはないでしょう。
そのため多くの感染者はこの段階をスルーしてしまいます。なにせ気付いてないくらいですから。
結果、症状はますます進行・悪化していくこととなります。
後から振り返って考えた時に、
「もしかしてあの頃感じた爪の違和感はすでに症状が出始めていたのかもしれない…」
なんて後悔の対象になるのがちょうどこの時期です。
確かにこの段階で気づいて適切な治療を始めさえすれば、感染を他の指にこじらせることもないでしょうし、治療の跡が残るようなこともないでしょう。
できることならば、この段階で治療を開始すべき!といえるタイミングです。
さらに言うならば、この段階であれば病院に行かずに爪水虫を治すことも十分に可能なタイミングです。
爪水虫を自力で治したいと考える方は、下のリンク先の記事もご覧になってみてください。
⇒爪水虫を自力で治すことは可能?自宅治療の注意点と正しい治し方の手順
中期段階
初期段階を通り越して、症状が進行してしてくると次のような変化が爪に訪れます。
爪水虫中期での外観の特徴
・爪の白濁化
・ボロボロともろく崩れる箇所も出てくる
・部分的にかなり厚みを増してくる
・茶色~黒色に変色してくる
この段階になると、まず気付かないことはないでしょう。一目で異常とわかります。
爪の白濁化とは、爪の中に入った菌がどんどん繁殖していき、爪が白く濁ってしまう現象のことです。
白濁した部分はなんとなく折れた下敷きにも似た外観です。
場合によっては爪が黒く変色してしまう事もあります。
これまで局所的な外観の変化にとどまっていた爪も、この段階になると爪全体が水虫化しているケースが多いです。
実は、ここまでの段階で治療を始められるかどうかが、跡の残りやすさにも大きく影響してきます。
これ以上症状が進行してしまうと、例えそこから正しい治療を開始したとしても元通りの綺麗な見た目にまで回復しない可能性も出てきてしまいます。
末期段階
これまで見た目の異常だけで済んでいた爪水虫も、ここまで悪化するとそのほかの副作用も出てきてしまいます。
爪水虫末期での外観の特徴
・原型がわからないレベルでの変形
・部分的には爪がなくなる
・全体的にかなり厚みを増してくる
・他の爪にも影響が出てくる
爪は分厚くなり、形も変形し、爪自体がもろくなり割れやすくなります。
結果、爪が変形することによって靴を履いた時に痛みを感じることも。
さらに重症になると、今度は爪だけでなく足全体に菌が広がってしまいます。
水虫の原因は白癬菌という名のいわゆる「カビ」です。
白癬菌は生き延びるために皮膚の深い所へと入っていくと同時にその感染範囲を拡大させます。
特にかかとや土踏まずのような皮膚の分厚い箇所にまで菌が達してしまうと、かかとの角質が硬くなりひび割れが起こったりもするでしょう。
当然、ひび割れの症状が進めばこれまた痛みを伴います。
水虫で痛みがあるとはあまり聞いたことがないかもしれませんが、症状が悪化すると歩く度にかかとはひび割れによって痛みが出て、ついには日常生活にも影響が出てきてしまいます。
さらにこれだけでは済みません。
場合によっては水虫の部分に傷が出来て、そこに菌が入ってしまうこともあります。こうなるともう大変。
足の細胞が壊死し、最悪の場合は足を切断しなければならない状況にもなりかねません。
「たかが水虫だろ」と思って治療をせずに放っておくと、このように取り返しのつかない状態まで陥ってしまうこともあるのです。
どんな方が爪水虫になりやすい?重症化しやすい?
爪水虫になりやすい人の特徴は、足の指が短くて太い人や、指同士がくっついていて開きにくい人、また外反母趾の人もなりやすいので注意が必要です。
さらに重症化しやすい人に共通した特徴として、生活環境要因も大きく関係してきます。
職業で言うと肉体労働などで汗をかきやすい環境にある人、例えば工事現場で一日中外で働く・工場勤務で安全靴を履く、など、足が蒸れやすい環境で仕事をする人は特に注意が必要です。
要するに、足の指が蒸れやすい生活環境にある方の方が感染のリスクが高いのです。
蒸れやすい=湿度が高い=カビが繁殖しやすい=水虫になりやすい
というわけですね。
また70歳以上の高齢者や、体の免疫機能が弱くなっている人も重症化しやすい傾向にあります。
70歳以上の高齢者に関していえばおよそ半数以上が爪水虫にかかっているとも言われています。
重症化という意味では特に気を付けなければならないのが糖尿病の患者です。
血液の循環が不完全なことによって引き起こされる糖尿病性壊疽は、特に足の末端など血液がより循環しにくい箇所で顕著に症状が悪化します。
糖尿病患者にとっては水虫とは大病を招く直接的な要因にもなるのです。
重症化させないための対策方法はないの?
この質問には、ありきたりな答えしか用意できないのですが、「早期発見」「早期治療」以外にありません。
やはり、爪水虫を重症化させないための対策方法は、なによりもよく自分の足の健康状態を観察することです。
「いつもと違うな?」という違和感に気付くためには「いつも見ている必要がある」
ということですね。
まず自分の足に異変がないか、あるいは傷が出来ていないかを毎日チェックしましょう。
そして、足をとにかく清潔に保ち毎日よく洗う事が必要です。
あとは生活環境を見直すのも効果的でしょう。
仕事中、靴の中が蒸れやすい環境にあるのであれば、5分でも10分でも足を乾燥させる時間を作るなど、工夫してみてください。
それでももし、何か足に異常を感じた場合はすぐに病院へ行き医師に相談することを心がける事が必要です。
まとめ
初期から末期まで、爪水虫患者の中でも症状の程度差というものは存在します。
当然、感染範囲が狭いほど、あるいは感染してからの日数が浅いほど治りやすいし跡にも残りにくいのです。
もし今現在足の爪に異変を感じているのであれば、早々に病院で診断をうけるべきでしょう。
初期段階であれば爪水虫専用の塗り薬で完治させることも可能です。
⇒爪水虫に効く市販の外用薬がある!そのメリットデメリットとは?
中期段階以降であれば、感染範囲次第では「飲み薬での治療」という選択肢も考えなければならないかもしれません。
水虫はその他の重篤な病気に比べると「ありきたり」「勝手に治るでしょ」など誤解を受けやすい病気でもあります。
ですが、症状が重くなってからでは遅いのです。
症状が悪化する前に、できるだけ早く治療を開始しましょう。