爪水虫の治療には長い時間がかかります。
個人差はありますが、完治までおよそ1年~1年半はかかるのが一般的です。
こうなると気になるのが、その治療費ですよね。
爪水虫の治療を病院で行うと、薬代や診察料に加えて、内服薬による治療の場合は血液検査などの検査費用も負担しなければなりません。
これだけ長い期間、通院して治療に取り組むとなると治療費用の総額はそれなりの金額となってしまいます。
そこで、病院での治療をせずに個人輸入で爪水虫治療薬のジェネリックを購入するという選択肢もあります。
確かに個人輸入ジェネリックだと治療費がかなり安くなるのでとても魅力的ではありますが、実はトラブルが起きたときの代償も大きいのです。
本記事では、
・爪水虫の治療に、個人輸入したジェネリック医薬品を用いた場合、治療費用はいくらになるのか
・魅力的な治療費用の反面、どのようなリスクがあるのか
これらに関して説明していきます。
個人輸入でジェネリック医薬品の購入を検討している方は、ちょっと待って下さい。
この記事を読んで「リスクまで考えた上で本当に得なのか」を是非ともよく考えて頂ければと思います。
スポンサーリンク目次
個人輸入できる爪水虫用のジェネリック医薬品
まずは個人輸入が可能な爪水虫用のジェネリック医薬品の種類はどのようなものがあるか、見ていきます。
病院に行くと爪水虫の治療薬として処方されるのは主に飲むタイプの治療薬でしょう。
飲むタイプの薬にはいくつか種類がありますが、現在主に使われているのは
・イトラコナゾール
・テルビナフィン
これらの2つです。
そこで、これら2つの薬に関して個人輸入可能なジェネリック医薬品があるのか調査しました。
イトラコナゾールの個人輸入ジェネリック
まず、イトラコナゾールの個人輸入可能なジェネリックですが、スポラルという商品があります。
イトラコナゾールの正規品(先発品)はイトリゾールという錠剤ですが、こちらの費用をジェネリック(スポラル)と比較させると、
種類 | 正規品 | ジェネリック |
商品名 | イトリゾール | スパゾル |
単価 | 708.4円/100mg | 225.0円/100mg |
確かにジェネリックを用いると明確に費用を抑えられます。
ただし、イトラコナゾールは次に紹介するテルビナフィンと比べると併用禁忌が圧倒的に多い薬になります。
また、飲み方もパルス療法といって1週間服用→3週間休止、というように変則的な飲み方が必要です。
そのため、医師の相談なしに飲み続けるのは相当のリスクを覚悟しなければなりません。
テルビナフィンの個人輸入ジェネリック
一方、テルビナフィンの個人輸入可能なジェネリックには様々な商品が各社から開発・販売されています。
正規品(先発品)はラミシール錠125mgという商品ですが、これをジェネリックと比較させると
種類 | 正規品 | ジェネリック |
商品名 | ラミシール錠125mg | ケルガー錠125mg |
単価 | 184.2円/125mg | 73.1円/100mg |
こちらもやはり、ジェネリックを用いることで随分と費用を抑えることが可能となりますね。
個人輸入せずに病院で処方を受けることもできる
上で記載した薬の値段はあくまで薬そのものの値段になります。
病院で処方を受ける場合はこれに加えて処方箋料や、診察料、その他諸費用が加算されることまで考えなければなりません。
しかしながら、ジェネリックに変えるだけで薬代に関しては随分抑えることができるのですから、選択肢には入れる価値は十分にあります。
費用的には圧倒的にメリットの多い個人輸入ジェネリックですが、留意しておくべきことは他にもあります。
それはインターネットで個人輸入する場合には、低品質なものや偽物まで混じっていることもあるという点です。
これまで様々な健康被害報告も多数存在しますので、個人輸入の場合はそういったリスクとも向き合う必要が出てきます。
他にも、個人輸入ジェネリックの危険性は多数存在します。
個人輸入ジェネリックの危険性
これまで説明した通り、爪水虫治療薬に個人輸入ジェネリックを用いるという選択は、費用面で考えるととても魅力的です。
ですが当然、薬なので副作用があります。しかも爪水虫の飲み薬は副作用の程度が大きいものばかりです。
さらには飲み合わせの問題もありますので、ほかに薬を飲んでいるときは医師の判断が必須でしょう。
服用に際して医師の診断を経ていないということは、体調になにかあっても完全に自己責任になるということです。
これは爪水虫の飲み薬の副作用の大きさを考えると、あまりにもリスクが高いと言わざるを得ません。
副作用の一例を列挙しましょう。
主に
・肝機能障害
・胃部不快感や下痢に吐き気
・腹痛や胃部膨満感にめまい
・頭痛に食欲不振
・味覚異常や発疹にかゆみ
・乾癬様発疹や血清病様反応(蕁麻疹や発熱、関節痛)
・紅斑や光線過敏性反応
・顔面浮腫やリンパ節腫脹
・多形紅斑や水疱性皮膚炎
などです。
これはあくまで一部なので、とにかく体調に違和感を感じたときにはすぐに服用を止めるべきです。
このように個人輸入でジェネリックの飲み薬を購入して、医師の診断を受けずに飲むのはかなりの危険を伴います。
実は、2004年には日本でも死亡事故例が報告されています。
読売新聞2004.1.30『内服用の水虫薬投与の男性死亡』
水虫治療内服薬の副作用で死亡例、厚労省が注意喚起
水虫、たむしなどの内服薬「ラミシール錠」の副作用とみられる肝障害の死亡例があったとして、厚生労働省は29日、販売する日本チバガイギーに対し、医師らに肝機能検査を定期的に行うなどの患者の経過観察を徹底させるよう注意喚起した。
この通り、爪水虫の治療には弊害が伴うということ、取り返しのつかない事態まで起こりえるという事実は知っておくべきでしょう。
例え個人輸入でジェネリックを購入するときも、飲むタイプの薬であれば、はじめに一度は必ず医師の元を訪れて血液検査を受けてから飲んだほうが賢明です。
他のタイプの薬でも副作用が出たときや体調に変化を感じたときは、すぐに使うのを止めることが重要です。
薬の服用は体の異変にも気を配ることが重要で、めまいや眠気などの症状がでることもあるので仕事中や運転前の服用は特に注意が必要といえます。
塗り薬という選択肢
これまで説明したように、爪水虫の治療に個人輸入ジェネリックを用いることはかなりのリスクを伴います。
それでも中には「病院に行くのは恥ずかしい」「通院がめんどくさい」「費用が気になって病院にかかりたくない」そういった方も多いでしょう。
そのような場合には、塗り薬で治療する、という選択肢もあります。
かつて、爪水虫は塗り薬では完治できないと言われていました。その理由は爪の性質上、有効成分が爪の内部まで浸透するのが難しいとされていたためです。
しかし現在では、浸透力に特化した爪水虫専用の治療薬も販売されています。
また、妊婦や小さな子供など、元より飲み薬を服用できないような場合でも、塗り薬ならば使用できるというメリットもあります。
副作用の範囲に関しても飲み薬ほどの大きなリスクはなく、かぶれを併発する場合があるといった程度です。
費用面に関しても飲み薬と比較すると随分と抑えられるケースが多いのも魅力的です。
⇒爪水虫治療方法比較!内服薬と塗り薬、それぞれの費用と特徴は?
まとめ
爪水虫の治療にジェネリック医薬品を用いることは、確かに費用面では魅力的です。
ですがその反面、副作用のリスクが常につきまとうことにもなります。
・飲み合わせの観点から併用を禁止されている場合があること
・血液検査を受けずに服用を続けると気づいた時には肝機能に重篤な障害を併発する恐れがあること
・体にもしものことがあった場合には完全に自己責任になってしまうということ
これらのことを考えると、決しておススメできる選択肢ではありません。
それでも個人輸入ジェネリックでの治療を希望する場合は、せめて一度だけでも病院に行って、爪水虫であることの確定診断を受けることを強くおススメします。
これは爪水虫によく似た別の病気であった場合に、「副作用のリスクを受けるだけ受けて全く治療効果がない」というような事態を避けるためでもあります。
飲み薬の治療にせよ、塗り薬の治療にせよ、「爪水虫かな?」と思ったらまずは病院に行く。
その上で医師と相談して適切な治療方針を相談するのが賢明な選択であるといえます。
医師の処方の元にジェネリックを購入するだけでも費用面は抑えらえるでしょう。
また、
爪水虫であることが確定しているならば、副作用のリスクの小さい塗り薬を購入して自宅で治療するという選択肢もあります。
⇒爪水虫を自力で治すことは可能?自宅治療の注意点と正しい治し方の手順
いずれにせよ、爪水虫は放置して完治する病気ではありません。
症状は日を追うごとに悪化していく上に、他人に感染を拡大させる恐れもあります。
早めの行動が、完治への近道であることは間違いありません。