爪水虫の正体とは?
水虫も爪水虫も、その発症に至る原因は同じく「白癬菌」という真菌が皮膚表層に根付いてしまうことです。
真菌とはつまりカビのことで、この真菌というのは以下の3つに大別されます。
1.酵母
2.キノコ
3.糸状菌
で、白癬菌が上記のどれに該当するのかというと、「3.糸状菌」となります。
見た目通り、糸状の長い菌糸が無数に伸びており、ところどころに丸い胞子を有した形状が特徴的です。
この胞子がなかなかしぶとく、一度角質層まで根づいてしまうと簡単には死滅しません。
水虫が治りにくい、再発し易い病気と言われるのはこの白癬菌の生命力・繁殖力が大きな要因となっているのです。
水虫が足にでき易いのはなぜ?
水虫といえば、足にできるイメージが強いですよね。
実際のところ、水虫の原因=白癬菌は空気中にも普通に存在するカビの仲間であって、その気になれば体中どこでも巣食うことができます。
ではなぜ白癬菌は特に足を好む傾向にあるのでしょうか?
それは白癬菌にとって、足はとても居心地が良く、増殖するのに非常に良い条件が揃っているからなのです。
白癬菌にとっての好条件とは
□高温多湿な環境
□栄養源となるケラチン(タンパク質の一種)があること
これらが挙げられます。
白癬菌はケラチナーゼという酵素を有しており、このケラチナーゼは固いケラチンを分解する働きを持っています。
そして、ケラチンは人体でいうと皮膚の最表層に最も多く含まれています。
すなわち、白癬菌にとってはケラチンが豊富に存在する皮膚の最表層(=角質層)こそが格好のエサ場ということですね。
さらに、人体の角質層の厚みは大部分が0.02mm程度ですが、足の裏だけはなんとその100倍以上にあたる数mmもあります。
足の裏の角質層はとても分厚く、それだけ白癬菌の温床になり易いというわけですね。
さらに靴や靴下をはいているために蒸れ易く、
白癬菌にとってヒトの足はまさに生きるに困らない理想的な環境というわけです。
水虫が最も活動し易い季節とは
白癬菌が増殖しやすい環境は、高温・多湿な場所であると言いましたが具体的な数値を挙げると
温度:15℃~20℃以上
湿度:70%以上
と言われています。
こう考えると私たちが靴を履いて数時間もすればあっという間にこの理想的な環境を白癬菌に提供することになるわけですね。
つまり、1年を通してヒトの足は白癬菌増殖のリスクにさらされているということです。
但し、白癬菌が増殖できるのはなにも直接人体に触れている時だけではありません。
人体から剥がれ落ちたわずかな角質層、すなわち「アカ」だけでも白癬菌は十分に生き続けることが可能なのです。
つまり、日本の梅雨から夏にかけての季節は白癬菌にとっての最高の環境であり、最も活動が活発になる季節であるといえます。
この季節に水虫や爪水虫が発症する、あるいは症状が悪化することが多いのはこうした理由からです。
水虫を予防するには何よりも
と
が重要であるといえます。