生まれてこの方、水虫になったことが一度もないという人もいれば、治しても治しても、また別の箇所が水虫になってしまうという人もいます。
ではこの差はどこからやってくるのでしょうか?
基本的には外的な環境要因、つまり普段の生活スタイルに依存するところが大きいといわれています。
例えば『一日中長靴や革靴を履いて仕事する人』と、『通勤の時だけ靴を履くけれども仕事中はスリッパや通気性の良い靴に履き替える人』とでは、前者の方が圧倒的に水虫になり易いといえるでしょう。
また、『ジメジメした季節がある国の人』と、『一年中カラッとしている国の人』とでは、やはり前者の方が水虫患者数は多いわけです。
この点では日本は水虫になり易い環境(季節)がある国であると言えますね。
このように、水虫になりやすいか、なりにくいかは環境的な要因によって大きく左右されるわけです。
ですが、同じような環境・似たような生活スタイルであっても水虫になり易い人もいればなりにくい人がいるのです。
それは、外的要因に加えて内的な要因、つまり身体的な特徴や、持病の有無などによって左右されます。
本記事では、水虫になりやすい人の特徴を挙げていきます。
あなたの指は水虫になりやすい?なりにくい?
スポンサーリンク足の指と指がくっついている人は要注意
水虫になりやすい、すなわち白癬菌に感染しやすいかどうかは足の指の形が大いに関係します。
実は人は皆、誕生した時は足の指と指のすき間がほとんどないということは知っていましたか?
それが歩いたり走り回ったりするうちに徐々にすき間が開いていくのです。
この状態が本来あるべき姿なのですが、
人類は文明が栄えていく過程で靴を履くようになりました。
また現代人は、特に20歳を過ぎた社会人になると一日中革靴やハイヒールを履くようになります。
こうなるとだんだんと足の指と指のすき間が狭くなっていき、くっついていくのです。
すると指の股は風通しが悪くなり、蒸れ易い環境が持続してしまうのです。
高温多湿を好む白癬菌にとってはこの環境こそ好都合であり、どんどんと増殖していきます。
水虫患者のおよそ8割以上が指と指の感覚が狭いというデータもあります。
このように水虫になりやすい人の足には幾つかの共通点があります。
以下にその共通点を並べていきます。
①足の指が太くて短い
②指の股が狭い、くっついている
③指が開きにくい
④外反母趾である
⑤扁平足である
⑥足が肉厚である
この中の一つでも該当する人は水虫にかかりやすい足であるといえるでしょう。
持病のある人は爪水虫になりやすい
足の形によって水虫になりやす、なりにくい、という特徴があることは説明した通りです。
他にも、水虫は免疫機能とも密接に関係しています。
水虫を重症化し易い人には以下のような特徴があります。
70歳以上の高齢者
免疫機能が低下している人
足水虫を重症化させた結果として、爪水虫になる人は多いですが、なんと70歳以上の高齢者はおよそ半数が爪水虫と言われています。
また、免疫機能になんらかのトラブルを抱えた結果、細菌やウイルスなどが浸入してもいないのに免疫細胞自身が自分の体を攻撃してしまうこともあります。
これを自己免疫疾患といいます。
免疫は体内に入り込んだ異物を攻撃して体を守る重要な仕組みですが、自己免疫疾患によって免疫機能に異常をきたした結果、白癬菌に対しても抵抗力を弱めてしまいます。
自己免疫疾患の例として、全身の血液の循環が悪くなる末梢循環不全と呼ばれる病気の患者ではおよそ40%が爪水虫を併発しているというデータがあります。
また、糖尿病患者の35%以上、エイズ患者の25%以上など、皮膚の免疫機能を低下させるような病気を患った場合に爪水虫を併発するケースが非常に多いのです。
こうした持病があって爪水虫を併発した場合は、もとの病気の治療が大変でなかなか爪水虫まで気が回らないことも多いようです。
ですが、仮に症状が弱いとしても放置すれば悪化するのは間違いありません。
例えば糖尿病の方などは足が壊死し、最悪の場合切断を余儀なくされることも起こり得ます。
高齢者に加えてこういった持病持ちの方も、なるべく足を清潔に保つことを習慣化し水虫に備えることが重要です。
また万が一水虫に感染してしまった場合は、出来る限り早めに適切な治療を開始することが必要です。